池越えのティーショット、谷越えのセカンド。目の前にハザードが見えた瞬間、頭の中に「入れるな」という言葉が浮かんで、結果その通りになってしまった経験はありませんか。
練習場では絶対出ないようなミスが、コースでは連発する。あの悔しさは、ゴルフをやっている人なら誰もが味わっています。
その原因と解決策のひとつが「プリショットルーティン」です。ルーティンは「入れてはいけない」という意識を、別の集中に切り替えるスイッチになります。
この記事では、ゴルフのルーティンの正しい作り方から、何秒が適切か、そしてルーティンをやめたら110も切れなくなったという実体験まで、初心者でもすぐ実践できるよう解説します。

ルーティンをやめた時期に110も切れなくなったにゃ…。再開してから徐々に戻ってきて、1年以上ぶりに100切りができたにゃ。あの体験があるから、ルーティンの大切さを確信を持って話せるにゃ
【この記事はこんな人向け】
✅ 池越え・谷越えになると決まって崩れる
✅ 練習場では打てるのにコースで全く別人になる
✅ ルーティンを作りたいが何をすればいいか分からない
【この記事を読むとわかること】
・ルーティンがなぜ緊張を和らげるのか、メカニズムがわかる
・プリショットルーティンの正しい作り方(5ステップ)
・ニャルルの失敗→挫折→復活の体験談と実際のルーティン手順
ゴルフのルーティン(プリショットルーティン)とは?
ゴルフのルーティンとは、ショットを打つ前に毎回同じ手順で行う「決まった動作のこと」です。英語では Pre-shot routine(プリショットルーティン) と呼ばれます。
プロゴルファーがボールの前で毎回同じ動作を繰り返しているのを見たことはないでしょうか。あれは単なる癖ではなく、脳と体を「打つモード」に切り替えるための、意味のある一連の手順です。

あのちょこちょこした動作に全部意味があるんですか?

全部あるにゃ!方向確認・力み取り・集中スイッチON…あの短い時間に全部詰まってるにゃ
ルーティンはゴルフだけじゃない。イチローも五郎丸もやっていた
ルーティンの重要性は、ゴルフに限った話ではありません。
野球のイチロー選手は打席に入る前、必ずバットを垂直に立てて袖をまくり、投手に向けて静かに構えるという独自のルーティンを毎回繰り返していました。ラグビーの五郎丸歩選手は、キック前に両手を合わせる「五郎丸ポーズ」が有名です。あれも一種のルーティンです。
プロかアマチュアか、ゴルフかラグビーかは関係ありません。緊張する場面で、自分のパフォーマンスを最大限に発揮するための「儀式」がルーティンなのです。

イチローや五郎丸がやっていたことを、私たちもコースでやっていると思うと少しテンション上がるにゃ!
ルーティンを持つと変わる3つのこと
① 池越え・谷越えで「意識をそらせる」
目の前に池や谷が見えると、どうしてもそこに意識が向きます。「入れるな」と思えば思うほど体が固まり、ほぼその通りの結果になります。これはゴルフの怖さのひとつです。
ルーティンはこのとき、強力な武器になります。
「後方から距離を確認する→素振りをする→アドレスに入る」という手順に集中することで、ハザードへの意識が薄れ、いつも通りの入り方に集中できるようになります。意識を「池に入れるな」から「ルーティンを正しく踏む」にシフトさせるイメージです。
それでもミスする場合は、ルーティンがまだ体に染み込んでいないか、ルーティンはしているものの緊張でリズムが速くなっていて、結局いつも通りのスイングができていないケースがほとんどです。
② スイングの再現性が上がり、ミスの原因が分かるようになる
ルーティンがないと、ミスしたときに「何が悪かったのか」が分かりません。毎回バラバラな入り方をしていれば、原因の特定ができないからです。
ルーティンを固定することで、
- 「今日は素振りを3回したから打つ前に力んだ」
- 「アドレスの向き確認を飛ばしたから左に引っかけた」
- 「ワッグルをサボったらグリップが硬くなっていた」
と原因を特定できるようになります。ラウンド中に「あ、今日ルーティンができていないな」と気づけるかどうかが、スコアを大きく左右します。
③ プレーが速くなり、同伴者への気遣いが減る
「何をどの順番でやるか」が決まっていれば、迷う時間がなくなります。実際、ルーティンがない人ほどアドレスしてから「やっぱりこっちのクラブにしよう」と迷いが生まれ、かえって時間がかかります。
スムーズなプレーはコースマナーの基本です。ルーティンを固めることはスコアだけでなく、コース上でのマナーや進行にも直結します。
ゴルフのルーティンの作り方【5ステップ】
初心者にそのまま使えるシンプルなルーティンを5ステップで紹介します。
| 手順 | やること | 時間目安 |
|---|---|---|
| ① | 後方から距離・方向・ハザードを確認。クラブを決める | 5〜8秒 |
| ② | 素振りを1〜2回(打ちたい球筋をイメージ) | 5〜8秒 |
| ③ | フェースをターゲットに向けてアドレスに入る | 5〜8秒 |
| ④ | ワッグルでクラブの重さを感じながら力みを取る | 3〜5秒 |
| ⑤ | ターゲットを一度見て、迷わず打つ | 3〜5秒 |
合計:約20〜35秒が目安です。
ステップ①:クラブ選びはここで完了させる(最重要)
ボールの後方2〜3歩下がり、ピン(目標)を確認します。確認するのは距離・風向き・ハザードの位置です。そしてクラブ選びはこのタイミングで完了させてください。
アドレスに入ってからクラブを迷うのはルーティン崩壊の最大の原因です。迷ったら長い番手を選ぶと決めておくと、迷う時間がゼロになります。
ステップ②:素振りは最大2回まで
打ちたいショットをイメージしながら素振りをします。回数は最大2回まで。3回以上は力みに繋がり逆効果です。「距離・弾道・着地点」をリアルにイメージしながら振ることが大切です。
ステップ③:フェースの向きを先に合わせる
アドレスに入るとき、必ずフェースの向きを先にセットしてから足を揃えます。順番を逆にすると知らず知らずのうちに向きがずれます。
ステップ④:ワッグルでクラブの重さを感じる
アドレス後、クラブを上に1〜2回、横に1〜2回ゆらゆらさせてクラブの重さを感じます。足をパタパタさせて重心をセットするのも効果的です。グリップの余分な力みが取れ、スムーズなスイングへの準備が整います。
ステップ⑤:見たらすぐ打つ
最後にターゲットを一度確認したら、迷わず打ちます。ここで「やっぱり…」と迷ったら、アドレスを一度解いてステップ①からやり直してください。迷ったまま打つのが最もミスに繋がります。

アドレスしてから「やっぱりこっちにしよう」ってなること、よくあるんですよね…

それが一番のミスの元にゃ!アドレスに入ったら「打つだけ」の状態にするのがコツにゃ。迷ったら一度解いてやり直す勇気を持つにゃ
ニャルルの体験談【失敗・挫折・やめた・復活・100切り】
ルーティンの大切さを、自分の体験を通してお話しします。
最初はルーティンなんてなかった
ゴルフを始めた頃、ルーティンなんて概念は全くありませんでした。ボールの前に立って、うまく当たればラッキー。緊張する場面でミスをしても「まあ初心者だから」と流していました。
ところがコースに出ると、練習場では到底出ないようなミスを連発します。池越えのティーショットで池ポチャ、谷越えのセカンドで谷底、ショートホールでは大オーバー。普段の練習通りに打てればナイスミスで済むものが、緊張すると「0点のミス」になる。自信を失っていきました。
ルーティンを知って、試してみた
あるとき、上手な同伴者がボールを打つ前に毎回同じ動作を繰り返していることに気づきました。「あれって何してるの?」と聞いたら「ルーティンだよ、やってみな」と言われました。
半信半疑で取り組み始めましたが、最初は途中で忘れてしまったり、緊張するとリズムが速くなってしまって、結局いつもと変わらないスイングになったりしていました。
少しずつ成功体験が積み重なっていった
それでも続けていると、うまくいく瞬間が増えてきました。そしてあることに気づき始めます。
ルーティンをしている最中に「これはうまくいく」という確信が持てる瞬間があるのです。「クラブの重さの感じ方が、いいショットを打った時と同じだ」「ワッグルのリズムがいつも通りだ」という感覚です。そのままスイングすると、思い通りの球が出る。その感覚が次のショットへの自信に繋がり、いいサイクルが生まれ始めました。
スコアを振り返ると、100を切れたラウンドはルーティンがきちんとできていた。逆に崩れたラウンドを思い出すと「そういえばルーティンやってたっけ?」「途中からリズムが速くなってなかったか?」と気づくことが多かった。ラウンド中に気づけばまだ立て直せますが、終わってからでは振り返りもできません。
「やめてみたら」さらに悪くなった
一時期、ルーティンをしても調子が悪い時期が続きました。「ルーティンのせいかも」と思い、やめてみることにしました。
良くなるかと思いきや、悪化していきました。110も切れない、シャンクのような球ばかり出る。悪いイメージが続いて自信をどんどん失っていく。完全な負のサイクルでした。
再開→1年以上ぶりの100切り
あるとき「そういえばルーティンやっていなかった」と思い出し、以前のルーティンを再開しました。最初はぎこちなくても、続けているうちにいいショットが少しずつ出始めます。自信が戻ってきました。
そしてこの間、1年以上ぶりに100切りを達成しました。その前のラウンドも100は切れませんでしたが、手ごたえは確実にありました。ルーティンを再開してからのサイクルが戻ってきた証拠だと思っています。

ルーティンをやめた時の経験があるから、余計に大切さが身に染みてるにゃ。スコアが崩れたら「ルーティンできてたか?」を真っ先に確認するようになったにゃ
ニャルルの実際のルーティン手順(約25秒)
参考までに、今やっているルーティンを公開します。これが正解というわけではなく、自分に合ったものを作るためのヒントとして使ってください。
ニャルルのルーティン(所要時間:約25秒)
- ボールの後方に立ち、ピンまでの距離・風・ハザードを確認(クラブはここで決定)
- 打ちたい球筋をイメージしながら素振りを1〜2回
- 目標の手前に小さな目印(スパット)を見つける
- フェースをスパットに向けてアドレスに入る
- ワッグルを上に1〜2回・横に1〜2回、クラブの重さを感じる。足もパタパタして重心をセット
- バックスイングに入る前に右かかとを軽く上げて踏む(これが自分のスイングスイッチ)
- ターゲットを見て即打つ
ルーティンの内容は人それぞれでOKです。周りの上手な人のやり方を参考にして、「自分が自然にできる」手順を探してみてください。ボールの後ろで素振り1回するだけでも立派なルーティンの出発点です。
何秒が正解?ルーティンの時間の目安
「何秒でやればいい?」という疑問には、30〜45秒以内を目安にしてください。
| レベル | 目安時間 | 状態 |
|---|---|---|
| 初心者 | 40〜60秒 | 迷いが多く長くなりがち |
| 中級者 | 30〜40秒 | ルーティンが定着してきた状態 |
| 上級者・プロ | 15〜30秒 | 迷いなく体に染み込んでいる |
45秒を超えると同伴者が待ち始めます。ただし最初から速くしようとしなくてOKです。ルーティンが染み込むほど自然と短くなります。
⚠️ 緊張するとリズムが速くなる
ルーティンをやっているのに結果が出ないときは、緊張でリズムが速くなっていることがほとんどです。「いつもより速い」と気づいたら、一度アドレスを解いてゆっくりやり直しましょう。
ルーティンを定着させる3つのコツ
① 練習場でも毎球やる(これが全て)
「コースでだけやる」では絶対に定着しません。打ちっぱなしでも毎球ルーティンを行うことで初めて体に染み込みます。
忘れるということは、まだ染み込んでいないサインです。最低でも50球以上ルーティンつきで打つことを1ヶ月続けると、気づいたら自然にやっている状態になります。1球あたり30秒余分にかかりますが、100球雑に打つより50球ルーティンつきで打つ方がスコアアップに直結します。
② 「長い」と言われたら手順を見直す
同伴者に「構えるの遅い」と言われたら、素振りの回数を減らすサインです。慣れてくれば自然と短くなりますが、意識的に「今日は素振り1回にしよう」と減らしてみることも有効です。
③ スコアが崩れたときは「ルーティンできてたか?」を最初に確認する
ラウンド後の振り返りで「なぜ崩れたか」を考えるとき、技術的な問題より先に「ルーティンができていたか?」を確認してください。調子が悪いラウンドは、たいていルーティンが崩れているか、リズムが速くなっています。
ラウンド中に気づければ立て直せます。ハーフが終わったタイミングで振り返るのがおすすめです。コース上でのスコア管理についてはコースマネジメントの考え方も参考にしてみてください。
ルーティンを効率よく固めるならインドア練習が最短
ルーティンは「繰り返し」でしか定着しません。雨でも週に何度も通えて、1球ごとに集中できる環境が理想的です。
インドアゴルフスクールは月額定額で通い放題のところが多く、コスパよく練習量を確保できます。コーチがいるスクールなら「ルーティンのクセ」も指摘してもらえます。
各スクールの料金・特徴の比較はインドアゴルフスクール比較記事で詳しく解説しています。
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よくある質問
まとめ:ルーティンは一生使える「打つための儀式」
- プリショットルーティンとはショット前に毎回同じ手順で行う決まった動作
- 池越え・谷越えなどで意識をハザードからそらし、いつも通りの入り方に集中できる
- イチローや五郎丸も活用していた、スポーツ共通のメンタル技術
- 作り方は5ステップ。クラブはアドレス前に決め、迷ったら長い番手を選ぶ
- 時間の目安は30〜45秒以内
- ミスが続いてもやめてはいけない。リズムが速くなっていないかを確認する
- 定着には練習場での毎球ルーティンが唯一の近道

ルーティンは一日では作れないにゃ。でも作ってしまえば一生使える財産になるにゃ!まずは今日の練習から、1球ずつルーティンをつけて打ってみてにゃ
繰り返し練習できる環境を整えることが、ルーティン定着の最短ルートです。

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