インドア練習は便利で効率的——でも「それだけ」で満足していませんか?
実はインドア中心の練習には、距離感のズレ・ルーティンの崩壊・環境ストレスへの弱さなど、ラウンドでスコアを落とす“落とし穴”がいくつもあります。この記事では、インドアだけで起きやすい具体的な弊害を列挙し、それぞれに対する即効で使える屋外練習+移行ドリルを紹介します。インドアの良さを活かしつつ、コースで結果を出すための「ハイブリッド練習法」を提案します。
インドアばかりの主な弊害と対策
1) ルーティンが形骸化/本番で崩れる
何が起きる?
室内では移動が短く打席の回転が速いため、自然と“簡略化したルーティン”になりがち。実際にコースで時間をかけてラインを読む・他人を待つ等の動作が入ると、普段の流れが乱れてミスが出る。
具体例:インドアではボールをセットしてすぐ打つ→ラウンドでは同じようにすると距離感・集中がズレる。

ニャルルもインドア練習するときうっかりルーティンを忘れてしまうにゃ。。コースを意識したアドレスして打ちたい場所をイメージしたルーティンまでやるのがベストにゃ!
対策ドリル:
- プレショット・ワンルーティン練習:インドアでも本番通りの“立つ→見る→ルーティン→打つ”を行う。あえて移動時間を作る(例:打席に戻るときに1回深呼吸)。
- 中断対応練習:あえて他人の会話や音(スマホ通知音)を鳴らしてルーティンを維持する練習。
2) 閉塞的な室内環境に慣れすぎ、コースで視覚的プレッシャーを感じる
何が起きる?
インドアは壁やネット、狭い視界が標準。広いフェアウェイや高低差・遠景のあるフェアウェイに出たとき、視覚情報が一気に増えて萎縮や焦りが出ることがある。
具体例:視界が開けた場面で「球が小さく見え」打つ瞬間に緊張して体が固まる。

特に狭いコースに行くとフェアウェイの幅とかハザードが気になってしまうにゃ
対策ドリル:
- 山並み/遠景を意識した屋外練習:週1回は開けたレンジ(遠くが見える場所)で打つ。
- シーン切替練習(視覚刺激慣れ):室内であえて窓のある場所や、広い壁の前で練習する/屋外で最初は短いクラブ→徐々に長いクラブへ。
3) 距離感(キャリーとラン)がつかめない
何が起きる?
ネットや一部シミュレーターは“着地後のラン”が異なるか、そもそも確認できない。実際のラウンドではキャリーとランの合計でグリーンに届くかが決まるため、距離感の誤差は大きな失点につながる。
具体例:普段のシミュレーター数値は良くても、実際のフェアウェイではワンラン失敗してグリーンオーバー。

距離計持ってればどうにかなるといえばなるけど、自分の感覚がないと体がその通りに動かないかもしれないにゃ
対策ドリル:
- 着弾ゾーンドリル(屋外):50〜120ヤードの“着弾ゾーン”を3段階(ショート・ジャスト・オーバー)に作り、クラブを変えながらそのゾーンに落とす。
- 室内→屋外の比較テスト:室内で測定した同じクラブの平均キャリーをメモし、屋外で20球打って実測との差を記録する(習得の進捗が可視化される)。
4) 芝・ライ・傾斜といった“地面の違い”に弱くなる
何が起きる?
マットは芝と違い反発や摩擦が異なる。ラフ、薄いライ、傾斜からのショットはインドアでは再現しにくく、実戦での対応力が落ちる。
具体例:ラフからのフェアウェイウッドがすっぽ抜ける、傾斜でのスタンス調整が分からない。

屋外練習場でも人工芝が多いにゃ。ショートコースなら芝からも打てるのでお勧めにゃ
対策ドリル:
- ライ別練習(屋外):フェアウェイ、ラフ、薄い芝、傾斜(左足上がり/下がり)を実際に打つ。
- マット補正を意識した素振り:マット上で“足裏の感覚”を意識して、重心移動の確認を行う(ただし感覚差はあると理解する)。
5) バンカー・アプローチ・高低差の実践経験不足
何が起きる?
マットやネットではバンカーと練習マットの感触は再現不能。アプローチの“落としどころ”やスピン調整、砂の深さ・ボール抜けの感覚が身につかない。

バンカーも練習場によってはできるにゃ!ゴルフ場にもたまにバンカー練習場があるから機会があれば黙々と練習にゃ!
対策ドリル:
- バンカーチャレンジ:距離と種類(浅い/深い)のバンカーを数パターン用意して、成功率を上げるまで繰り返す。
- ワンハンド(利き手)でのサンドショット:振り幅を小さくして下半身主導を確認。
6) テクノロジー(弾道計)依存と数値偏重
何が起きる?
弾道計の数値は有益だが、「数字通りにしかプレーできない」という状態になると、風や芝など変化に対応できない。数値と実際の結果(着弾・ラン)を結びつける練習が不足していると危険。

インドアでは風は感じることができないから、屋外で打った際のボールの軌道弾道はある程度傾向を把握しておいた方が良いにゃ
対策ドリル:
- 数値→実弾比較:弾道計のキャリー数値を記録し、屋外での実測(打点→目視)と照らし合わせる。
- “数値オフ”での目標練習:たまに弾道計を封印して感覚だけで距離を打ち分ける練習を行う。
7) ランダム性への弱さ(即興のクラブ選択・対応力)
何が起きる?
インドアは同じ条件を繰り返しやすいため、ランダムな状況での瞬時の判断力が鍛えられない。
対策ドリル:
- ランダムクラブ・ランダムターゲット練:誰かにクラブを指定してもらい、ターゲットもランダムに決める。
- “ショットプランA/B”練習:同じ距離でも2つの戦術(低い弾道で刻む/高弾道でグリーンを狙う)を交互に実施。
8) メンタル(試合感・プレッシャー耐性)の不足
何が起きる?
室内は観客・風・コースマネジメント要素が少ないため、プレッシャーを受けたときのパフォーマンス低下が起きやすい。
対策ドリル:
- プレッシャーゲーム化:点数制度や小さな掛けを導入して、負けたらちょっとした「罰(体幹10秒キープ等)」を設ける(安全な範囲で)。
- 模擬ラウンド:屋外で9ホールを想定した“ミニラウンド”を行い、ショットの選択とメンタルを鍛える。
「インドアでしかできないこと」を活かすための心得
- “直す”はインドアで、“試す”は屋外で:スイング修正はインドアで効率よく、修正の有効性は屋外で必ず検証する。
- 数値は目安。最終的には“着弾”と“スコア”で判断。
- ルーティンは室内でも必ず“本番通り”にやる(移動・構え・ルーティンすべて)。
具体的な週次プラン
初心者(週3回練習できる人)
- 平日(インドア)30分:スイングの基礎+ルーティン練習
- 週末(土曜)屋外60〜90分:アプローチ中心(30分)、パッティング(30分)、ドライバー(残り)
- 月1:9ホールかショートコースで実戦確認
中級者
- 平日2回(インドア)45分:修正+弾道計で数値を取るが、必ず感覚確認を入れる
- 週末(屋外)90分:着弾ゾーン練習、ライ替え、バンカー = 習得した技術を即試す
- 月2回ラウンド(実戦での意思決定練習)
上級者
- インドアは週1(ショットチューニング)+週1(短尺/テンポ練習)
- 屋外週1回は必須:風・傾斜・ランの確認、実戦的なクラブ選択練習
- 毎回ラウンド前に“チェックリスト”で移行テスト(下記参照)
項目 | インドア練習 | 屋外練習 | ギャップ/補完ポイント |
---|---|---|---|
環境 | 狭く安定、天候に左右されない | 広く不安定、風・光・芝・傾斜など変化が多い | インドアでは再現できない環境ストレスに対応する必要あり |
距離感 | 弾道計やマットでキャリーのみ確認可 | 実際のキャリー+ランが確認可能 | 着弾後のランや飛距離感覚は屋外でしか習得できない |
芝・ライ | マット上のみ | フェアウェイ、ラフ、薄芝、傾斜から打てる | 地面の感触やスタンス調整が身につく |
ルーティン | 打席の移動が短く簡略化されやすい | ラウンドに近い準備・移動が発生 | 本番でのルーティン維持力は屋外練習で鍛える |
メンタル | 他人・広さ・風の影響が少ない | 風、距離、景観によるプレッシャーがある | 精神的プレッシャーへの耐性は屋外で強化 |
アプローチ・バンカー | 再現困難 | 実戦通りに打てる | ショートゲームや砂場対応力は屋外でのみ上達 |
視覚情報 | 狭い、壁やネットに囲まれる | 広い、遠景・高低差がある | 広い景観への慣れと集中力は屋外で必要 |
変化対応 | 風・傾斜・ライの変化に弱い | 即興でクラブ選択・打ち方を変える練習ができる | ランダム性・臨機応変力は屋外で習得 |
「移行チェックリスト」 — 屋外での自己テスト(ラウンド前に)
- 室内で直したスイングを屋外で20球打ってみる:飛距離とブレは許容範囲か?
- 50〜100ヤードの落としどころに3球中2球は入るか?
- バンカー2回成功/3回以内か?
- パッティングは3m以内での成功率がいつもの目標に近いか?
結果をメモして、翌週の練習プランに反映する。
まとめ
インドア練習は“効率的な武器”です。ただしそれだけに頼ると「数字は良いのにコースで結果が出ない」というギャップに悩む可能性が高い。インドアで修正→屋外で検証、これを習慣化するだけでスコアの安定性は確実に上がります。この記事を読んだら、まずは今週末に「屋外で30分だけ距離チェック」を入れることをおすすめします。
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